毎日暑く、湿度が高い夏の日々もようやく終わりました。
秋は涼しくて過ごしやすいですが、冬になると気になるのが『乾燥』です。乾燥をそのままにしておくと、肌荒れや風邪を招くことにもつながります。夏に比べて、冬は水分をあまり取らないという方も多いのではないでしょうか?
寒い季節は、栄養管理だけではなく乾燥に対する対策も十分に行うことが大切です。
健康な肌の角質層には、約20%~30%の水分が含まれています。これが20%以下になった状態の肌のことを「乾燥肌」といいます。冬に乾燥が起こりやすいのには、次の理由があります。
〇冬は空気中に含まれる水分が少ない
空気中には、目には見えませんが水分が含まれています。この空気中の水分量は気温が高くなるほど増えて、気温が低くなるほど減っていきます。
気温が低い冬は、他の季節に比べて空気中の水分量が少ない季節です。
〇エアコンの暖房による湿度の低下
冬に乾燥する原因として、エアコンの暖房の影響があげられます。乾燥している状態は湿度が低い状態で、湿度は空気中に含まれる水分量の割合を%で表した度数を指します。湿度は含むことができる水分量によって変わるため、水分量の少ない冬の空気をエアコンで温めると、空気中に含むことのできる水分量は増えます。しかし、もともと含んでいる水分量が少なく、さらに加湿するわけではないため、相対的に湿度が下がり、乾燥します。このような乾燥により空気中の水分量に空きができると、髪や肌に含まれる水分も奪われます。これが部屋を暖めたときに感じる乾燥の正体です。
乾燥が原因となって引き起こされやすい症状は様々あります。
●風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
空気が乾燥するほど、風邪のウイルスは活性化します。乾燥によって鼻や喉の粘膜も水分を失い、感染症の原因である病原菌やウイルスが侵入しやすい状態になるため、注意が必要です。
●脱水症状
夏に発症しやすいと思われがちな脱水症状は、乾燥する冬の季節も注意が必要です。皮膚からは常に水分が蒸発しており、体内の水分は減少していきます。また、呼吸するたびに水分は失われています、冬は夏と違って汗をかかないため、水分補給を怠りやすいですが、このように皮膚科からの蒸発や呼吸によって失われた水分をしっかり補給しないと、脱水症状につながります。
●肌や髪のトラブル
健康的な髪の水分量は約11%~13%といわれています。髪は吸放湿が大きいため、乾燥すると広がりやパサつきの原因となります。また、肌も水分量が10%以下になるとドライスキンの状態になり、肌荒れやかゆみの原因になります。
乾燥肌とは、肌にうるおいを与える水分や皮脂が不足している状態ですが、本来、肌には外界から体を守る皮膚のバリア機能が備わっています。肌表面にあるわずか0.02mmの角層がしっかりと機能していることで、水分と油分のバランスが保たれ、健やかな肌をキープできます。
角層は以下の3つの構造から成り立っています。
しかし、肌をかいたり、外気に触れて乾燥したりすると、角層が傷つき皮膚のバリア機能の低下につながる恐れがあります。この状態の肌は、肌内部に水分を溜めることが難しくなり、乾燥による肌荒れなどのトラブルを引き起こしやすくなるため注意が必要です。
特に、空気が乾燥する冬は肌がかさつきやすくなることで、肌トラブルに悩まされる方も多いでしょう。しかし、最近はエアコンの使用により、季節に関係なく肌は乾燥しやすい状況にあり、皮脂の分泌がさかんな夏でも乾燥肌に悩まされる方は多くいます。
「自分が乾燥肌なのかどうか、よくわからない」と感じる方もいると思います。そんな方は、下のチェックリストをもとに自分の肌が乾燥肌なのかどうかセルフチェックしてみてください。これに当てはまる点が多い場合、乾燥肌の可能性が高いです。
乾燥対策には加湿器が定番ですが、加湿器が使えない環境もあると思います。そんな時に活用できる手軽な乾燥対策をご紹介します。
◎濡れタオルや洗濯物の部屋干し
濡れタオルや洗濯物から蒸発する水分を利用して室内を加湿します。部屋干しのにおいが気にある場合は、部屋干し用の洗剤などを活用しましょう。加湿器を使用している場合は、濡れタオルを干しておくと簡易的な乾燥対策になります。
◎湯気を利用する
湯気は空気に潤いを与えてくれます。例えばお風呂の湯気、入浴後に浴室の扉をあけておくと、浴室に充満していた湯気が外の部屋へ移動して湿度が高くなります。また、鍋料理などでは、蒸発する水分で湯気が出ます。この湯気も部屋の感想を防いでくれます。
また、部屋が乾燥しているかどうかは、湿度計で確認する以外は、なかなか自分では気が付きにくいものです。手軽に確認する方法として、「コップについた水滴から湿度を確認する」方法があります。氷水を入れたガラスコップを部屋に置き、しばらくしてコップの外側に水滴が付けば過ごしやすい湿度で、時間が経過しても水滴がつかない場合は乾燥しているサインです。
乾燥を予防するためには、規則正しい生活習慣を意識し、体調管理を心がけることが大切です。
・栄養バランスの取れた食事
日々の食事の栄養バランスは、健康で潤いのある身体づくりに繋がります。肌のターンオーバーを活性化させたり、皮膚に潤いを与える栄養素としては、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB群がおすすめです。また、肌の新陳代謝を活発にしてバリア機能を高めるビタミンEやコラーゲンの合成を促進させるビタミンCも積極的に摂りましょう。
・適度な運動
適度な運動により汗をかくことで肌に水分が補われ、肌を保湿し、守る働きがある皮脂膜が正常に作られます。また、運動は血流を促進して、栄養分が隅々まで届く手助けの役割もあるため、角質層の正常な形成にも効果が期待できます。
・質の良い睡眠を十分にとる
日々の睡眠も乾燥に影響する生活習慣のひとつです。寝始めて最初の90分は、特に大切といわれるノンレム睡眠が訪れます。ここで深い眠りにつけると、正常な新陳代謝が促進され、肌の保水量も高まり、自律神経やホルモンの働きも良くなります。十分な睡眠をとるよう心がけましょう。
生活習慣を気にすることも大切ですが、乾燥に効果的なツボもあります。
ツボにディモアシールを貼るだけで、寝ている間も、仕事中や家事をしながら、楽にケアすることができます。
大巨(だいこ)は東洋医学における「お血」の改善をする働きがあります。「お血」とは、血液がドロドロになったり、血流が悪くなったりするような状態を指しますが、それらを改善する結果、新陳代謝の促進にもつながります。
新陳代謝がよくなると皮膚の自然治癒力を上げる効果にも期待ができるので、乾燥肌の改善にもつながる可能性があります。
便秘解消やダイエットのツボとしても一般的に知られています。おへそから指3本分下に下がり、さらにそこから指3本分外側にずれたところで、左右対称の両側に大巨のツボがあります。
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